だいぶ涼しく秋らしくなってきた
今日この頃ですが、
皆様、いかがお過ごしでしょうか…?
さて、以前の話ですが、
その日、夕方から雨が降るということで、
私は傘を持って出勤したわけです。
そして、とある横断歩道を渡ろうとした時、
車が一台私を無視して突っ込んできたのです。
ぎりぎりで気づいてどうにか惨事は避けられましたが、
そこで、私の口から飛び出したとっさの一言が
「叩っ斬るぞ!」でした。
ついでに、左に携えていた傘の柄に右手を掛けて
いつでも抜いて斬りかかれる状態。
とっさの一言でこんなのが出てくる私は一体…。(汗
そんなこんなでもはや恒例の
小説を更新いたします。
以上、本日のgachamukでした。
それでは、どうぞ。




なぜ、明治が不良たちのパシリに使われているのか。その原因は、入学式の時にある。
 惣駄高校の入学式を終え、明治が自宅に帰ろうとしていたところ、突然、体育館裏から、いくつかの怒号と、悲鳴が聞こえてきたのだ。普段の明治ならば、聞こえなかったふりをして、何事もなかったかのように、その場を立ち去っただろう。
 だが、高校という新しい環境に飛び込んだためだろうか、好奇心に駆られてしまい、体育館裏を覗き込んでしまった。そして、不良たちが寄ってたかって、一人の生徒を囲んでいるのを目撃してしまった。当然、すぐにその場を立ち去ろうとしたが、運悪く、足元に落ちていた空き缶を、思いっきり踏んでしまったのだ。
―カキョキョッ
 その場に、空き缶が潰される音が大きく響いた。そして、逃げようとしていた明治は、すぐに捕えられて、口封じの恐喝をされた挙句、便利に使われることになったのだ。もちろん、明治も当初は抵抗していたが、そのたびに制裁を加えられ、結局のところ、従うしかなくなってしまった。
 明治は、そんな嫌な記憶を、頭を振って振り払うと、辿り着いたコンビニで、メモに書いてあるものを購入し、すぐに元来た道を引き返していった。
 そうして、ようやくオツカイを済ませた明治は、教室には戻らず、屋上へと足を向けた。まったくと言っていいほど人がやってこないこの屋上は、明治のお気に入りで、不良たちから解放されると、いつもここで過ごしていた。
「どうして、いつもこうなんだろう?」
 地面に寝転びながら、明治は深いため息を吐く。
「せめて、僕がもっと強かったらなぁ。あいつらなんか、簡単にやっつけれるのに。」
 誰が聞くこともない愚痴を、明治はつぶやき続ける。
「もっと頭がよかったら、こんな学校からさっさと転校して、別の高校に通うのに。」
 明治は、容姿、成績、運動能力、全てにおいて平均を地で行く自分に嫌気がさしていた。とはいっても、別に漫画の主人公のような立場になりたいと願っているわけでもない。ただ単に、自分の弱さが嫌いなだけだった。
 だからと言って、勉強したり、武道を習ったりといった努力をしようとも思わなかった。自分が努力をしても無駄だと、すでに諦めていた。
 そして、それが明治の弱さだった。
どうせ、自分なんて、自分なんかが、そう言い訳をして、努力しようともしない。
もし、明治が諦めることをしなければ、明治のあこがれる強さが手に入ったかもしれない。少なくとも、もっと前向きになれるだろうし、そうなれば、今のように不良たちにいいように使われることもなかっただろう。
―キーンコーンカーンコーン
 取り留めもないことを考えていて、いつの間にか眠ってしまったようで、授業終了を告げるチャイムで、明治は眼を覚ました。
 ようやく長い一日が終わったと、ほっとした明治は、不良たちに見つからないように(時には、帰りに見つかり、その日の遊び代を奪われてしまうため)、帰り支度をして、部活にいそしんで、青春を謳歌している生徒をしり目に、そそくさと学校から立ち去った。