2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

遠のくもの…

いつも追いかけていた。 それが通った道をたどって。 それが残した記憶を探って。 見失って。 また、別の道を探して。 そうして見つけた。 それの後姿。 長い時間を費やして。 必死になって追いかけていた。 それも、もう少しで終わる。 そのはずだった。 け…

真意を胸に…

一日がまた始まった。 機械的に日々を生きて。 惰性で過ごす毎日。 自分は何をしているのだろう。 とりとめも無い疑問を感じながら。 無感動に過ぎていく時間。 その中でゆらゆらと身を漂わせて。 ただ、流されていくだけ。 そんな日々を繰返していた。 そし…

約束…

初めは驚いた。 最早自分には手に入らないと思っていたものが。 突然、目の前に下りてきた。 それは、契約を求めた。 自分がそれを手に入れたと知られない代わりに。 自分にそれを与えよう。 限られた時間だけ。 そんな契約。 そして、自分は受け入れた。 契…

痛む心…

いつでも、必死だった。 自分が生きることに。 自分に取り付いた敵に負けないように。 自分にできることをしていた。 自分のために。 時には人すらも傷つけて。 それが仕方の無いことなのだと思い込んで。 良心の呵責を無視して。 生き延びてきた。 自分に残…

侵略者…

気が付けば、いつの間にか侵食されていた。 自分がいる世界が小さくなっていた。 自分に残された時間はもうないのだろう。 それは侵略者。 人の哀しみ、苦しみ、辛さ。 負の感情を喰らいながら。 じわじわと人の世界を侵食していく。 とめることはできない。…

思い出…

人は思い出を忘れることで生きていける。 そう思っている人がいた。 それは、いつまでも過去に縛られることが無いように。 いつまでも、止まったままでいないように。 そんな願いが篭められている。 人は変わらずにいられないから。 せめて、引きずることの…

優先されるもの…

ずっとそれを守ってきた。 自分にとってとても大切だったから。 自分にとってとても必要なものだから。 何ものにも変え難いものだから。 戦って、傷つきながらも。 守ってきた。 けれども、それを失ってしまった。 自分は悲嘆にくれ、絶望し。 途方に暮れた…

付きまとう影…

ひたひたと音が聞こえる。 自分をいつも追いかける影の音。 いつでも自分を蝕んで。 自分から奪っていく。 過去に間違いを犯してから。 自分にずっと付いてくる。 自分を蝕むたびに。 いつも思い出す過去。 自分の大切な人を失った過去。 自分が守るべきだっ…

喰らうもの…

初めはゆっくりとしていた。 自分のペースを守って。 自分に余裕があって。 そばを慌しくかける人を見て。 自分はこうならないと思っていた。 けれども、結局自分も同じだった。 気付いたのだ。 あれの存在に。 あれは時間を喰らう。 どこまでも貪欲に。 ど…

繰返す愚者…

いつも失敗ばかりしていた。 そのたびに反省して。 また違う失敗をする。 そんなことを繰返していた。 嫌になるほど。 自分がやることがうまくいかなくて。 いつも、人知れず泣いていた。 誰もいない暗闇の中で。 それでも、息を潜めて。 静かに泣いていた。…

そこにあるもの…

それは単にそこにいた。 何をするでもなく。 ひっそりと移ろい行く世界を眺めていた。 周りはそれに見向きもしない。 まるでそれが存在していないかのように。 自分も初めは気付かなかった。 でも、世界がやさしくないと知ったとき。 それがそこにいることに…

生きる道…

あの日、真実を知ったとき。 自分は壊れた。 全てに絶望し、嘆き、失った。 気力もなくして。 生きながらに屍のようだった。 考えることもなく。 ただ終わりを待つのみで。 心すらも死んでいた。 身体は石の様に硬く。 冷たくなって動かない。 自分を覆うの…

気付かない…

自分はそれに気付いていた。 そして、それを知っていた。 けれども、恐れていた。 それが現実になることを。 自分が認めることで。 それが実際に起こりえることを。 だから、気付かないフリをした。 気付かなければ。 それを知らなければ。 それを認めること…

自分のもの…

これだけは絶対に譲れない。 そんなものが自分にはある。 自分の生き方、考え方。 それを人にとやかく言われたくは無い。 自分の意志で決めて。 自分の意志で行動する。 そうでなければ意味は無いから。 確かに、自分は。 人にえらそうに言うことのできる。 …

当たり前のこと…

いつか誓ったこと。 このものを守ろう。 自分にある力をすべて使って。 この大切なものを守ろう。 自分が受けた恩恵を。 少しでも返すことができるように。 だから、守ってきた。 傷つけられないように。 壊されないように。 奪われないように。 そうしてき…

どこまでも…

暗くて、深い闇の中。 周りには何もなく。 上も下も右も左も分からない。 そんな深い深い穴の中を。 自分は落ちていた。 いつから落ちていたのだろう。 気が付いたら、闇に囲まれ。 確かな浮遊感を感じながら。 そこにいた。 始めは混乱して。 どうにか這い…

穢れた心…

自分は穢れている。 自分が生きるために。 自分を守るために。 どんな手段でも。 自分は厭わなかった。 それでいて、大切な人たちの前では。 一片の穢れも無いように振る舞い。 彼らの幸せを願い。 彼らの心配をし。 光の下で生きてきた。 心は既に。 暗い暗…

煉獄の炎…

炎が自分を焼いている。 紅蓮の色を撒き散らしながら。 漆黒の煙を舞い上げながら。 自分に絡みつき。 じわじわと焼いていく。 自分に逃れる術はなく。 ただ、自分の身が焼かれていくのを眺めるだけ。 延々と与えられる苦痛にうめき。 ゆっくりと確実に自分…

凍える風…

ずっと一人でいた。 前は、一人じゃなかったはずなのに。 いつの間にか、一人になっていた。 それから、ずっとここにいる。 たった一人で。 ここはとても寒くて。 凍える風が吹き付けてくる。 その風は、容赦なく自分を削り取り。 いつか、自分は世界から消…

世界の真理…

形あるものはいつか崩れ。 すべてのものには終わりが来る。 決して、避けることができない。 どれだけ栄華を誇っていても。 どれだけ荒廃が蝕んでいても。 人であっても。 道端の石であっても。 何も変わることは無い。 時が来れば、終わりが訪れ。 それが存…

受け継がれるもの…

自分はいろんなものを受け継いできた。 自分の両親から、先祖から。 友人や大切な人たち。 彼らがそれまでの時間をかけて。 懸命に築いて、育てて、形にしたもの。 そのほんの一部だけど。 確かに自分は受け継いだ。 そして、これから自分はそれを同じように…

つたうもの…

ある人に出会った。 その人の世界はもうすぐ終わるらしい。 その人に残された時間は少なかった。 そんなときに、出会った。 最初は気付かなかった。 その人はいつもと同じだったから。 何も変わらない日常を送っていたから。 自分の世界が終わることを知って…

間違えたもの…

あるとき、その違和感に気がついた。 どこかがおかしくて。 何かが間違えていると。 でも、具体的には何なのか分からない。 どうして、自分が気付いて。 どうして、誰も気付かないのかも。 彼らは、それが当たり前のこととして。 いつもと同じ事をしていた。…

終わりに願うこと…

朝が来て、陽の光が差す。 新しい一日が始まる。 何かを期待して。 いつもと同じ事を繰返す。 決まった時間に家を出て。 決まった時間に働いて。 決まった時間に家に帰る。 細かいところは違うけど。 いつもと同じ。 何も変わらなくて。 自分の期待が裏切ら…

追いつけない…

いつもそれを追いかけていた。 最初はずっと遠くにあった。 それを少しずつ、距離を縮め。 ようやく、それをつかむところまで来た。 手を伸ばし、それをしっかりと収める。 けれども、それは先に行こうとする。 自分がつかんでいても気にすることなく。 だか…

耐え忍ぶこと…

何をやってもうまくいかない。 計画を立てても瓦解し。 自分でうまくいくように考えても。 それが、最悪の手となってしまう。 大切なものも壊れてしまい。 それを直そうとしても、直らない。 もう、どうしたら良いのか分からない。 先をみれば、全てが暗い道…

小さな強さ…

それを見つけたときは、まだ小さかった。 とても弱弱しくて。 儚いものだった。 きっと、強く抱きしめれば壊れてしまうだろう。 それほどに小さかった。 けれど、それは強かった。 なによりも、生きることに貪欲で。 必死になって、生きていこうとしていた。…

この先の未来に幸あれ…

幸せであることに強く憧れていた。 別に自分は不幸であるわけでもないけど。 本当に幸せそうな人を見ていて。 自分も彼らのようになりたい。 そんな憧れがあった。 でも、それはとても大変なことだった。 自分にとっての本当の幸せ。 それが分からない。 日…

うそつき…

自分はずっと嘘をついている。 目の前にいるのが誰であっても。 自分自身にすらも。 本当は、真実を晒すべきなのだろう。 嘘偽りなく、自分から見た真実を。 でも、嫌われたくない。 知られたくない、失いたくない。 幼稚な考えが頭をよぎって。 隠さなくて…