羽ばたけ空へ…

ある日気がついたら、籠の中にいた。
狭くて、冷たい籠の中に。
外に出ようと思っても。
扉は硬く閉ざされ、外に出ることはできない。
何故自分はここにいるのか分からない。
必死に逃げようとしても、自分を傷つけるだけ。
いつしか、逃げることに疲れてしまい。
そのまま籠の中にいるようになった。
少なくとも、ここには自分を傷つける存在はない。
必要なものは与えられ。
狭いことに眼を瞑れば安息すらある。
ならば、逃げる必要はないのだ。
そう思い、日々を過ごした。
それから、どのくらいの時間が経ったか。
気がつけば、いつの間にか扉が開いていた。
そして、そこからは光が溢れていた。
あれほど焦がれた外の世界。
けれど、なぜか今はそこに行こうとしない。
自分を閉じ込める扉はないというのに。
自分の翼を戒めていた鎖もないというのに。
安息を捨てて外に行くのを恐れた。
翼を広げて、空を飛ぶのを恐れた。
ずっと飛んでいない不安があって。
外に踏み出すことができない。
だから、留まった。
そして、知った。
安息の世界が壊れたことを。
自分が外に行かなければそこで世界が終わることを。
だから、永い間使っていなかった翼を広げ。
羽ばたけ空へ。
光が溢れる世界へ。



今日は免許の更新に行ってきました。
30分ほどつまらないビデオを見せられて、あっさり解放。(笑
楽でしたね。