思い出…

人は思い出を忘れることで生きていける。
そう思っている人がいた。
それは、いつまでも過去に縛られることが無いように。
いつまでも、止まったままでいないように。
そんな願いが篭められている。
人は変わらずにいられないから。
せめて、引きずることの無いように。
自分の意思で変わっていけるように。
そう思っている。
けれども、思い出は過ぎ去ってしまったもの。
それはただの記憶でしかなく。
この世界には存在していない。
でも、思い出として記憶されている限り。
それはいつまでも存在し続ける。
人の記憶の中に。
人の心の中に。
だから、決して忘れてはいけないものがある。
それが確かにここに在ったことで。
確かに、現実に起こったことなのだと。
証明できるただ唯一の手段。
人の記憶から消えてしまえば。
それはどこにも残らない。
忘れてしまう事で、前に進むことはできる。
けれども、覚えていることが留まることと同義ではない。
覚えていて、忘れずにいて。
それでも、それにとらわれることなく。
現実をしっかりと見つめて。
そうして、前に進む事もできる。
だから、いつまでも覚えていよう。
刻み付けて忘れないように。
それは、ひとつの財産なのだから。



人は誰かに忘れ去られてしまったとき、本当の意味で死んでしまいます。
さて、先日帰宅途中に、ライトをつけていない自転車にぶつかられました。(汗
私は右手を負傷したのですが、相手の自転車の人が一言。
気をつけろよ。
あんたが気をつけろよ!
そう叫んでいました。(笑