巣立ち…

雛鳥が巣から。
飛び去ろうとしていた。
まだ生え揃っていない羽根を。
必死になって羽ばたかせて。
きっと、巣立つことに。
恐怖もあるのだろう。
しっかりと生きていけるのか。
空を舞えるのか。
誰にも頼らずに。
世界を見れるのか。
それでもひな鳥は。
その不安をかき消すように。
羽ばたいていた。
きっと巣立ちは近いだろう。
一人前に成長して。
空を舞うときが近いだろう。
それが少し羨ましい。
自分はまだ。
羽ばたいていない。
ひな鳥と違って。
飛ぶための羽根はある。
けれど、飛ぼうとしていない。
今のままではいけないのは分かっている。
前に進むべきだということも。
でも、不安が大きくて。
進むための一歩が踏み出せない。
そんな自分が情けなくて。
哀しくなった。



前燕の巣立ちの場面に立ち会ったことがありました。
さて、すっかり回りは秋色ですね。
そろそろ温泉が恋しくなる季節です。
できれば今年はいきたいなぁ。