いつの間にか2月に入り、驚きを隠せない
今日この頃ですが、
皆様、いかがお過ごしでしょうか…?
さて、本日は大雪です。
昨晩から降り続いて、
現在ではそれなりに積もっています。
駅まで車で送ってもらおうと思いましたが、
途中でトラックが立ち往生して断念。
寒い中を震えながら歩いていきました。(笑
そして、ここ最近ふと気づいたのですが、
現在修正中の小説もそうですが、
こういうのは書いているときが一番楽しいですね。
書いているときは、テンションが上がってしまい、
いろいろと書けるのですが、
後で冷静になると、後悔したりします。(笑
まあ、でも私の趣味とでもいえるものなので、
今後もできるだけ続けていきたいです。
そんなわけで、本日も更新します。
本日分で4章を終わり、次回からは新章になります。
以上、本日のgachamukでした。
それでは、どうぞ。




 それは、あまりにも唐突なことだった。
 隆宗が治める八洲国(やしまこく)と隣接する、犀音(さいね)国(こく)の領主、石原(いさ)根(ね)政(まさ)重(しげ)が軍の一部を八洲国との国境に派遣して、国境付近の村を襲撃したとの情報が入ったのだ。
犀音国は、一月前に別の国との戦が終わり、相手の国を吸収したところで、すぐにまた戦を仕掛けることはないと誰もが判断していた矢先のことだった。
ともあれ、情報の真偽や付近の砦の状況、相手の軍勢や進軍のタイミングなど、様々な情報を入手検討などで、城内だけでなく、国内は俄かに騒がしくなった。
誰もが浮足立って、戦の話をしている中、各地に散らばっていた武将たちが、城に集結して、緊急の軍議が開かれた。
「皆、もう知っておるだろうが、先日、隣国の犀音が国境の村を襲撃したという情報が入った。その真偽を確かめた結果、情報に偽りはなく、近日中にも敵は国内になだれ込むであろうということが分かった」
 隆宗の報告に、その場に集った一同が騒がしくなった。
 鉦定が「静粛に!」と声を上げて、騒ぎを鎮めると、隆宗は緊張した面持ちで話を続けた。
「敵の兵力は六千ほどだと、先ほど斥候から報告があった。これは、先月まで戦をしていたにしては、驚異的な兵力だ。たいして、こちらがすぐに準備できる兵力はせいぜい二千程度。正面から当たれば、こちらの敗北は確定だ」
 再び部屋の中が騒がしくなる。
 そこへ、明治が疑問に思ったことを口にした。
「それって、どうしても戦になるんですか?和平を結ぶとかはできないんですか?」
「ふむ。いい質問だ。本来なら無駄な争いを避けるために、和平の道があるのだが、今回の相手は、好戦的な性格で有名な犀音だ。こちらが和平を申し出ても、恐らく断るだろうし、例え受け入れるにしても、その要求は尋常ならざるものになるだろう」
 鉦定の説明を聞いて、明治は緊張が高まるのを感じて、部屋の中を見回した。
 他の武将たちも、戦は避けられないと知っているのだろう、緊張した面持ちであれこれ議論していた。
 そこへ、隆宗が「パンッ」と大きく手を打ち鳴らし、話を始めた。
「皆の者。よく聞いてくれ。今回は戦は避けられないだろう。ならば、こちらもしっかりと準備をしたうえで、万全の状態で迎え撃ちたい」
 隆宗の言葉で、その場の全員の表情が引き締まる。
 隆宗は満足そうに頷くと、
「食料の備蓄はどうなっている?」
「全兵力分の兵糧であれば、十分です。一月以上は持つと試算が出ています。いざとなれば、近隣の村からの援助も受けられる手筈が整っています」
 隆宗は、食料担当の武将の答えに頷くと、今度は武器防具担当の武将に向きなおった。
「そちらの状況はどうなっている?」
「はっ。各部隊の武器および防具は、既に準備が整っております」
 その後も、隆宗はそれぞれの担当の武将に状況を訊ねた。
 そして、すべての確認が終わった後、隆宗は唐突に明治を呼びつけ、その場の全員に向かって、
「今回の戦には、明治にも参加してもらう。明治には、初陣(ういじん)ではあるが、部隊を率いてもらう予定だ。皆、助力を頼む」
 隆宗の宣言に、明治は狼狽するが、他の武将たちは文句を言うどころか、賛成するように全員が明治に向かって拍手をした。
「ほれ、明治。一言いわんか」
 隆宗に促されて、明治はおずおずと立ち上がった。
「あ、あの。今まで勉強してきたことを精一杯活かしたいと思います。お願いします」
 頭を下げた明治に、再度拍手が送られた。
 やがて、拍手が止んだのを見計らって、隆宗が高らかに宣言した。
「皆の者。戦の始まりだ!」
 それに対して、その場の全員が「応!」と答えた。
 そして、明治にとっての初陣が始まる。