年度末工事で回り道ばかりする
今日この頃ですが、
皆様、いかがお過ごしでしょうか…?
さて、先日、とある知り合いに、
今一番行きたい国はと聞かれました。
なぜ、そんなことを聞いたのかは別として、
私は迷わずイギリスと答えました。
理由は単純。
私がシャーロックホームズの大ファンだからです。
一度でいいからロンドンのベーカー街221Bにある
シャーロックホームズ博物館に行きたいです。
が、中々そんな機会があるはずもなく。
仕方ないので、近々公開予定の映画で
我慢しようかと思います。
そんなわけで、いつもの奴を更新します。
しかし、こう過去の時代の表現は難しいですね。
以上、本日のgachamukでした。
それでは、どうぞ。




 一方そのころ、敵方の犀音国の陣では、盛大な酒盛りが行われていた。
 戦力、兵の練度ともに圧倒的に有利で、ほぼ勝ち戦であるが故に、余裕が出ているのだろう。
 その証拠に、本来戦の作戦準備などで忙しいはずの、犀音国領主の石原(いさ)根(ね)政(まさ)重(しげ)も、部下の武将たちと一緒に、酒を飲んでいた。
「しかし、政重様。敵国とは言え、近隣の村から我らに祝い酒が届けられるとは、驚きましたな」
 ひげ面の武将に話しかけられた政重も、上機嫌に盃を傾けながら笑った。
「それだけ、我らの威光が優れているということだろう。聞けば、敵の大将、山辺隆宗は戦嫌いと聞く。そんな弱い領主では、民たちが我らに期待するのも無理はあるまい」
 部下たちの尊敬の眼差しに、ますます上機嫌になる政重の元へ、さらに近くの村から酒とつまみが届けられた。
 実は、この酒とつまみ、隆宗が相手を油断させ、正常な判断力を奪うための作戦として、近隣の村に言って届けさせたもので、桶狭間の戦いで、今川義元を破った、織田信長も同じ作戦を使ったと言われている。
 そんな事とは露知らず、部下たちに盛大に酒をふるまい、さらには自身も泥酔していた政重は、やがて酔いつぶれるように、その場で眠ってしまった。
 そして、その様子をこっそり見ていた、隆宗側の間者から、隆宗へと合図が送られ、ここに明治の初陣が開戦された。
 犀音国側に複数もぐりこんでいた患者たちは、作戦開始とともに、犀音国の陣に一斉に火を放ち、それと同時に、山辺軍の誘導部隊が犀音国の陣へと一気になだれ込んだ。
「ご報告いたします!」
 急に騒がしくなった本陣に、何事かと飛び起きた武将たちに、部下からの報告が入った。
山辺軍が奇襲を仕掛けてきました!」
「何!?」
 政重は慌てて鎧を付けながら、伝令に命令を伝える。
「すぐに陣形を整えろ!各隊は敵を迎撃しながら本陣を円陣で守れ!火の手が上がっているところはすぐに消せ!」
「はっ!」
 伝令が各隊に政重の命令を伝えると、石原根軍の兵士たちは、直ちに命令を実行した。
 さすがに練度が高い兵士たちは、奇襲に成功して、陣内で暴れていた山辺軍の奇襲部隊を徐々に押し返した。
 対する山辺軍の奇襲部隊の隊長は、これ以上の戦闘は必要ないと判断し、自陣へと引き返していった。
 そのタイミングを見計らって、山辺軍の間者が政重に提言する。
「ご報告いたします!我が軍は敵の奇襲部隊の迎撃に成功し、敵部隊は引き返していきます!敵の本陣は奴らが向かう先にあると思われます!このまま奴らを追いかけて、本陣まで案内させた方が得策かと思います!」
 間者の提言に、石原根軍の武将たちは軽く打ち合わせをした後、山辺軍の奇襲部隊を追いかけることにした。
「総員、直ちに出撃準備を整えよ!これより、敵軍の本陣を叩きに行く!」
 兵士たちの雄叫びが、周囲の空気を揺らした。
「進軍を開始せよ!」
 一斉に動き出した約六千の兵士たちの足音が、地響きとなって轟いた。
 山辺軍の奇襲部隊は、敵軍が進軍を開始したことを確認すると、柄図はならずの距離を保ちながら、あらかじめ決められた道を進んで、敵軍を罠のある場所へと導いていく。