パラドックス…

もしもあの時。
人は後悔をしたときにそう考える。
もしも別の選択をしていたら。
もしもあの時話していたら。
そして、後悔をして、別の可能性を考える。
でも、決して時を巻き戻すことはできない。
時の流れは不可逆なればなり。
つまりはそういうことだ。
例え、そのときに戻ることができて。
尚且つ別の可能性を選んだとしても。
恐らく、人はまた後悔するだろう。
それは、全く別の自分だから。
そして、その先にあるのは別の世界。
自分の知る世界と似て非なるもの。
そうなれば、きっと自分は耐えられない。
確かに、過去を振り返ることは大切。
けれども、それはあくまでも過去のこと。
今の自分は、その過去の上にいるのだ。
そして、先に広がる世界も。
後悔をしてもいい。
立ち止まってもいい。
けれども、別の可能性をいつまでも考えていてはいけない。
違う可能性のことは、その可能性を選んだ自分に任せればいい。
今の自分があるのは、そのときにその可能性を選んだから。
だから、今の自分を好きになれ。
そうすれば、きっと世界は違う景色を見せてくれる。
暗い、闇に包まれた世界が。
きっと明るく、光が注ぐ世界に変わる。
だから、希望を持ち。
自分を好きになり。
歩いていこう。



文中の「時の流れは不可逆なればなり」とは知る人ぞ知る「黄昏の碑文」の一説です。
とあるゲームに登場しますので、気になる方は調べてみてください。(笑