虹の架け橋…

人の心は相容れない。
それは、ひどくもろいものだから。
簡単に傷ついてしまうから。
だから、決して深い部分に踏み入らせようとはしない。
絶対にして不可侵の領域。
けれども、人は孤独に耐えることができない。
だから、つながりを持とうとする。
そうして、人と出会い。
絆を結ぶ。
それは、人の心と心をつなげる架け橋となる。
遥か昔に、神々の楽園と地上をつないでいたという。
ビフレストのように。
けれど、その架け橋は独りではつながらない。
お互いがお互いを知ろうとしたとき。
心のそこから、それを望んだとき。
絆ができ、結びつける。
例え、どれだけ離れていても。
例え、どれだけ時間がたっても。
壊れることはない。
ただ、相手を傷つけてしまったとき。
相手に傷つけられたとき。
そのとき、絆は壊れてしまう。
そして、それを直すのは難しい。
一度傷ついてしまった心は簡単には治らないから。
だから、絆を結ぶとき。
人は慎重になる。
それでも、絆を結ぼう。
異なる世界をつなげる。
あのビフレストのように。



文中のビフレストは、北欧神話に出てきます。
その中では、神々の楽園と、巨人族の地を結びつけるものでした。
そして、そのビフレストはラグナロクのときに崩壊したそうです。