影法師…

今まで何事もなく過ごしていた。
惰性で日々を過ごして。
自分が子どもであることを自覚して。
自分の夢を見つけて。
当たり前のようにそれを追いかけていた。
けれども、気付いてしまった。
自分にはもう時間が無かったことに。
もうすぐ、自分は消えてしまう。
いつか来ることだとは分かっていたけど。
まだ先のことだと思っていた。
だから、あまりにも唐突過ぎて。
愕然としていた。
取り乱すことは無かった。
取り乱したところで。
どうにかなるものでもないから。
ただ、不安だった。
自分がこのまま消えてしまっても。
世界は変わらないことに。
誰の中にも自分が残らないことに。
自分がいる証が消えてしまうことに。
自分はここにいて。
こうして、今いるのに。
誰にも気付かれないままに。
世界から消えてしまう。
それは、自分が生きてないことと同じ事。
それが不安だった。
誰にも気にとめられることの無い。
影法師のように。
世界からそっと消えてしまうことが。



人は誰かの記憶から忘れ去られてしまったときに、死を迎えるといいます。
さて、最近気付いたのですが、自分から誰かに指示を出すことはとても難しいですね。
それも、自分があまり理解できていないことを指示するのが…。
理解できていることなら、某焼肉屋でのアルバイトで散々慣れているのですけど。(汗