崩壊…

平穏な日々を送っていた。
他愛のないおしゃべりをして。
他愛のない冗談で笑い。
日が暮れたら、帰って。
また、次の日の来訪を待つ。
そんな何の変哲も無い毎日を過ごしていた。
けれども、あるとき。
世界は牙を向いた。
平穏で何の変哲も無い日常が。
突如として、崩壊し。
自分を喰らおうとしてきた。
得体の知れない何かに追われ。
圧倒的な数と力で、追い詰められ。
じわじわと壊されていく様を見せ付けられる。
それは、世界が満足するまで続けられる。
地獄と、瘴気の宴。
そこでは、自分は世界を満足させるための。
ただの駒でしかなく。
宴のための余興だった。
そして、世界が飽きれば。
再び平穏な日常に戻される。
何度も世界に喰われ。
自分が崩壊していく様を見せ付けられ。
何度も絶望させられた。
自分が何か悪いことをしたのだろうか。
そのための罰を受けているのだろうか。
ありもしない、己の罪を振り返ってしまう。
自分はただ、理不尽な世界の牙に身を晒し。
終わりの無い苦痛を繰返す。
そして、日常に戻るたびに。
世界に刻み込まれる。
mement moriと。



世界は誰にでも優しい存在ではなく、誰にでも残虐だという説があります。
さて、今回の文中に出てきたmement moriですが、これはラテン語のことばです。
日本語では、「死を想え」などと訳されています。
つまり、死はいつでもそばにあるものだということです。
いらない雑学を疲労するgachamukでした。(笑