知らなければ…

それは凄惨なことだった。
自分の大切な人が。
自分の目の前で。
その人の片割れと共に。
壊れてしまった。
自ら壊れることを望んだように。
哀しげで。
静かな微笑みと共に。
その人は去っていった。
自分はそう記憶していた。
大切な人が。
自ら望んだことなのだと。
しかし、真実は違った。
些細なことで思い出した真実は。
記憶よりも哀しくて。
辛いものだった。
すべての原因は自分にあったのだ。
自分は大切な人が。
目の前で苦しんでいることを嫌った。
だから、楽になるように。
苦しくなくなるように。
その人を壊してしまった。
その人の片割れと一緒に。
その人はそのことに気付いていた。
気付いていて。
自分に、あの微笑みをくれた。
知らなければ良かった。
知らなければ、自分が壊れることも。
自分が後悔する事も。
なかったのに。
それがとても辛かった。



この世界には、秘匿されるべき真実というのもあるのだと想います。
さて、先日からあることを始めているのですが。
これが中々難しいものですね。
簡単にできると思ったのが大間違いでした。(汗
いやはや勉強不足でした。