そろそろ紅葉のシーズンになってきた
今日この頃ですが、
皆様、いかがお過ごしでしょうか…?
さて、先日のことですが、
仕事帰りに、気まぐれでとある店に立ち寄りました。
そこで、私は衝撃的な出会いをしました。
雪のように白い肌に、
漂ってくる甘い香り。
その存在に私は一気に魅了されてしまいました。
その日以降も、私の頭からは、その存在が離れません。
気になる、気になる。
白くて丸いあんちくしょう。
皆さん、もうお分かりでしょう。
そうです、和菓子屋でよく見るあれです。
つまり、イチゴ大福!
そんなわけで、今日も続きを更新します。
以上、本日のgachamukでした。
それでは、どうぞ。




 翌日、結局いつものように起きた明治は、いやいやながらも制服に袖を通し、学校に行く準備をし、机の上の携帯電話を取ろうとした時、ふと、怪しい男がお守りといった石が目に入った。
 昨日、その石を持って行って、いつも以上にひどい目にあったばかりなので、少し考えた挙句、結局、石は家に置いてくることにした。
 今にも雨が降りそうな、どんよりとした空の下を、その天気をそのまま反映させたかのように、明治はどんよりとした表情をしていた。
「どうせ、今日も呼び出されるんだろうなぁ。」
 すでに起こるとわかりきっている災難を前に、明治はため息を吐くことくらいしかできない。
 そうして、相変わらず暗い表情のまま、学校に到着し、明治にとっての絶望の一日が始まり、やがて、いつものように、財部から、脅迫まがいのメールが着信した。
 明治は、諦めたように、ゆっくりと席を立つと、クラスメイトが遠巻きに見つめる中を、とぼとぼと呼び出し場所まで向かった。そして、
「やっと来たか安部。じゃあ、いつものように頼むわ。」
 不条理にメモを突きつけられる。ここまでは、いつもと同じ光景だったが、明治は何を思ったのか、突然、いつもと違うことをし始めた。
 つまり、彼らに反抗を試みたのだ。
「…、だ。」
「あん?なんつった?今。」
 財部が明治を睨みつけながら、聞き返す。
「い、嫌だって言ったんだ!」
 明治は、きつく手を握りしめると、震えながら、自分の胸の内を吐露した。
「い、いつもいつも、僕をパシリに使って。お金もいつも払ってくれないし。だから、もうパシリにはいかない。」
 今まで、従順に自分たちの言いなりになっていた明治が、突然反抗しだしたことに、財部を始め、その場にいた不良たちが唖然としていた。
 明治は、そのままの勢いですべてを吐き出した。
「僕は、お前たちの奴隷じゃない!お前たちのいうことを聞く必要はないんだ。だから、今日からはもう、お前たちのいうことは絶対に聞かない!」
 息を荒くしながら言い終えた明治は、財部の顔が引きつっていることに気づいて、はっとした。
「てめえ!何言って…」
「待て!」
 不良の一人が、明治の胸を掴もうとした時、財部が一喝した。そして、不良たちが注目する中、財部は、ゆっくりと明治に近づき、
「お前は、俺たちにはもう従わない。そういったな?」
 明治は、震えながらも、ゆっくりとうなずいた。
「そうか。言いたいことはそれだけか?」
 明治がもう一度頷きながら、間近に迫った財部の顔を見ると、財部はどこか引きつったような表情をしていた。どうやら、明治は財部の逆鱗に触れてしまったらしい。その証拠に、財部は少し震えた声で、淡々と告げてきた。
「いくら爺さんでも、暴力沙汰は揉み消せないからって言われて、今までは我慢してきたが、もう我慢の限界だ。停学なんざどうでもいい。今、ここでお前をぼこぼこにしてやる!」
 明治が気が付くと、いつの間にか、周りを不良たちに囲まれていた。彼らは皆一様に下卑た笑いを浮かべていた。
 財部は、冷徹に笑うと、一言、彼らに命令を下した。
「やれ。」
 その瞬間、明治を包囲していた不良たちが、一斉に明治に襲い掛かってきた。
 顔、頭、足、腕、腹、背中、所構わず殴られ、蹴られる。
 明治は、思わず、頭を庇いながら地面に蹲った。しかし、不良たちは、そんな明治にさらに容赦なく暴行を加えていく。
「いっ、痛!やっ、止め。」
 明治が泣きながら、必死に懇願するが、それが聞き入れられることはなく、それからしばらく体育館裏には、肉と骨を殴打する音だけが響き続けた。
「おい、お前ら。もういいぞ。」
財部のその命令で、ようやく不良たちの暴行が止まった。
しかし、そのころにはすでに、明治はすでに意識を失っていて、体も泥と殴打の跡で、かなりぼろぼろになっていた。
財部が、明治の髪を掴んで、強引に上を向かせる。明治の顔も、あちこちを殴打され、醜くはれ上がっていた。そんな明治の顔を見て、財部が下品に笑い声をあげた。
「げひひひ。ざまぁねぇなぁ。安部。俺たちに逆らうからこうなるんだ。これに懲りたら、二度と俺たちに逆らおうなんて、バカなことは考えないことだなぁ!」
 財部は、掴んでいた明治の髪を放すと、気を失った明治を放置して、不良たちとどこかへと去っていった。