冬みたいに冷え込む
今日この頃ですが、
皆様、いかがお過ごしでしょうか…?
さて、いつものごとく暇です。
今日は、いつものパートのおばちゃんが
休みを取っているため、私はやりたい放題できるわけです。(笑
というわけで、うとうととしてみたり
思い出したように日記を更新したり
何も考えずぼうっとしていたりするわけです。(汗
い、いえ。決して働いていないわけではないですよ?
きちんとやるべきことをやって、
その合間に、やりたい放題しているのですから。
ほ、本当です。
私がサボってばかりいると思ったら
大間違い…だ…と…思います。(汗
とにもかくにも、とりあえず小説を更新します。
今回から新章です。
以上、本日のgachamukでした。
それではどうぞ。




第二章 始まり

「はっ?」
 明治は、呆然としていた。
 自分の部屋にいたはずなのに、いつの間にか外、しかもまったく見覚えのない場所に立っていたのだ。
 明治は、その場に立ち尽くしたまま、ふと、手に持っていた石を見た。
 先ほどまで、明治の部屋を呑み込むほどの光を放っていた石は、今はその光が嘘のように消え失せ、ガラスのように透き通っていた表面は、ただの石のようにくすんでしまっていた。
 明治自身は知らないことだったが、実はその石は、有史以前に存在した超古代文明が作り出した、オーパーツだったのだ。そして、明治は偶然にもそのオーパーツに秘められた能力を発動させ、その結果、現在の状況に置かれたのだ。
 自分が持っていたものが、超古代文明の遺産だとは全く思っていない明治は、とにかく今の状況を掴もうと、先ほどから聞こえてくる騒がしい音のほうへと歩き出した。
 やがて、小高い丘の頂上に辿り着いた明治が目にしたものは、およそ信じられないような光景だった。
 鎧のようなものに身を包み、刀のようなものを振りかざし、切り結ぶ人々、中には、背中にのぼりを背負っている人や、馬上から弓を射る人、長い槍状のものをもって突っ込んでいく人などが入り乱れ、何人かが地面に横たわっていた。
 およそ、映画や漫画でしか見ることのない光景を前に、明治は混乱していた。
「何これ?映画か何かの撮影?」
 しかし、それにしては撮影する器材や、スタッフが見当たらない。それに何より、風に乗って明治の元に届いた匂いには、血の匂いが多く含まれていた。
 戦場などの、命をやり取りする場にいたことのある人であれば、ここが本物の戦場だということ、また、この場にとどまることで、危険な目に遭うことも分かっただろう。
だが、極一般的な場所で育った明治に、そんなことがわかるはずもなかった。
―ガサッ
 背後から聞こえた音に、明治は思わず振り返った。
 そこには、下にいるような人たちと、同じ格好をした男が立っていて、明治を訝しむように睨みつけていた。
「あ、あの…。」
 明治が何かをしゃべろうと口を開いたが、男が遮った。
「貴様、何奴!面妖な格好をしおって!」
「え、えっと、あの、その…。」
 明治が戸惑っていると、男は腰に提(さ)げていた刀をスラリと抜いた。
「さては貴様!敵方の間者(かんじゃ)(スパイ)だな!ここで斬ってくれる!」
「はっ?え?ちょ、ちょっと…。」
「ええい!問答無用!覚悟!」
 明治が何かをしゃべろうとするが、男は聞く耳持たない様子で、手にした刀を大上段に振りかぶった。
 これが、映画の撮影ならば、刃をつぶした模造刀を使うので、斬られたところで、打撲程度で済むのだが、男の気迫のせいだろうか、振りかぶられた刀から伝わってくる空気が、明治に本能的に、死を連想させた。
「ひっ。」
 迫りくる刀を目の前に、明治は思わず、目を瞑り、体を強張らせた。
 瞬間、
―ヒュッ!
 何かが空気を切り裂いて、明治の頬を掠め、トンと軽い音を立てた。そして、
「うっ…。」
 今まさに明治を殺そうとしていた男が短い悲鳴を上げ、そのまま仰向けに倒れこんでしまった。
 明治が恐る恐る目を開けると、男は、額に矢を突き立てられて、絶命していた。
 熱い頬を無意識に押さえながら、何が起きたのか理解していない明治は、ゆっくりと後ろを振り返る。
 そこには、矢を放って、残心の形でこちらを見ている人物がいた。その人物は、いまだ玄が震えている弓をゆっくりと下すと、甲冑を鳴らしながら、明治のほうへと歩いてきた。
 明治は、今までの緊張の糸が切れたのか、矢を放った人物が近づいてくるのを視界の端に収めながら、そのまま気を失ってしまった。